日経平均株価推移

2006年の日経平均株価推移 ライブドア・ショックと量的緩和政策の解除

日経平均株価推移

 2006年(平成18年)の日経平均株価です。
 2006年の景気は、2002年から続く景気回復『いざなみ景気』の5年目で、企業部門、家計部門、海外部門がバランスよく成長した年でした。しかし、個人消費には鈍化の動きもみられ、デフレ脱却は確実ではありませんでした。

 2006年の実質GDPは、518兆9797億円でした。前年比では、3.3%増となりました。物価の変動を除いた実質GDPの伸び率は、2000年以来の高水準でした。
 2006年の失業率は、4.1%でした。2005年の4.4%から0.3ポイント低下し、1998年以降で最も低い水準でした。

 2006年は、アメリカでのサブプライム住宅ローン危機の原因となる、低所得や信用力の低い個人層への住宅ローン過剰に供給されていました。サブプライム住宅ローン危機の前兆である、住宅価格が下落し、利払いが3ヶ月以上滞る延滞率が13パーセントを超えるなどの出来事がありました。
 しかし、これらはサブプライムローンのリスクや金融市場の不安定さを示す兆候でしたが、当時は多くの人が気づいていませんでした。
 一方で、中国やインドなどの新興国は高い成長率を維持しました。世界経済の成長率は、2006年に3.4%となりました。アメリカは3.5%、ユーロ圏は2.8%、日本は2.0%の成長を達成しました。

 2006年の為替は、円高の傾向が強まりました。
 年初には1米ドル=約120円だったのが、年末には1米ドル=約118円まで下落しました。また、ユーロに対しても、円は上昇しました。年初には1ユーロ=約158円だったのが、年末には1ユーロ=約156円まで下落しました。

 2006年の日経平均株価は、ライブドア・ショッ安倍政権の発足などの影響を受けました。1月には、ライブドアの証券取引法違反容疑での強制捜査が発覚し、ライブドア関連銘柄や株式市場全体が暴落しました。9月には、小泉純一郎首相の後任として安倍晋三首相が就任し、経済政策や外交政策に期待が高まりました。

日経平均株価

 日経平均株価は、年初の1月4日に16,361.54円、年末に17,225.83円(+1,114.40円、+6.92%)。安値は6月13日の14,218.6円、高値は4月7日の17,563.37円をつけました。

大きな値動き

 2006年の日経平均株価の乱高下・暴落の件数です。

対前日の値幅率+2%以上は11回、値幅率-2%以上は13回発生しました。
対前日の値幅率+3%以上は3回、値幅率-3%以上は2回発生しました。
対前日の値幅率+4%以上は0回、値幅率-4%以上は1回発生しました。

値幅率±3%以上

 対前日の値幅率±3%以上の大きな値動きです。

 1月27日に前日比+569.66円(+3.58%)上昇しました。1月16日、ライブドア・ショックがしました。

~ライブドア・ショック~

 2006年1月16日にインターネット関連企業のライブドア(LD)が証券取引法違反の容疑で強制捜査を受けた事件です。この事件により、LDの株価は急落し、関連銘柄や新興市場全体にも売りが広がりました。
 前日より行われた強制捜査の影響で、東証マザーズ市場に上場されているライブドア株式がストップ安、ライブドア関連企業株も軒並みストップ安となり、関連7社で時価総額1500億円の下落となったほか、他IT系企業の株価も下落、日経平均株価も前日終値から462円08銭安の1万5805円95銭と急落しました。
 東京証券取引所は、売り注文の殺到によりシステムの処理能力が限界に達したと判断し、通常より20分早く取引を停止しました。この事件は、株式市場の信用を失墜させるとともに、インターネットビジネスの在り方や企業統治の問題を浮き彫りにしました。

 6月8日に前日比-462.98円(-3.07%)下落、6月13日に前日比-614.41円(-4.14%)下落、6月22日に前日比+491.43円(+3.36%)上昇しました。
 6月5日に村上ファンドの証券取引法違反容疑で、村上世彰が逮捕されました。逮捕後、村上ファンドは保有していた株を売却し始め、関連銘柄の株価に下落圧力を与えました。
 また、6月9日には、日本銀行が2001年3月から実施されていた量的金融緩和政策の解除を正式に決定しました。市場では予想されていたものでしたが、金利上昇への懸念や円高圧力が高まり、株価にマイナス要因となりました。

 7月20日に前日比+446.58円(+3.08%)上昇しました。

主な出来事

社会

 2月7日、文仁親王妃紀子が第三子を妊娠したことを宮内庁が発表、9月6日、秋篠宮文仁親王に男児(現在の悠仁親王)が誕生。皇室では41年ぶりに男児が誕生、12日に「悠仁(ひさひと)」と命名されました。

 9月28日、ニンテンドーDSソフト、ニンテンドーDSのキラータイトルポケットモンスター ダイヤモンド・パールが発売され、11月11日にはソニー・コンピュータエンタテインメント (SCEI) が「プレイステーション3」を日本で発売し、12月2日には任天堂から家庭用ゲーム機「Wii」が日本で発売、さらにマイクロソフトより「Xbox 360」が発売されました。

 2月10日にトリノ冬季オリンピック、3月3日に第1回 ワールド・ベースボール・クラシックが開幕、6月9日にFIFAワールドカップドイツ大会が開幕されました。

 8月24日に国際天文学連合が、冥王星を惑星から格下げし、従来9個だった太陽系惑星は8個になりました。

経済

 1月1日に東京三菱銀行とUFJ銀行が合併し三菱東京UFJ銀行が発足、1月23日には日本郵政株式会社が発足され、ソフトバンクが携帯電話業界大手のボーダフォンを1兆7500億円で買収する契約を行い、阪急ホールディングスと阪神電鉄が経営統合し阪急阪神ホールディングスに、ボーダフォン日本法がソフトバンクモバイルに社名変更しました。

 ウォルト・ディズニー・カンパニーがアメリカのCGアニメ映画製作大手のピクサーを買収し、ピクサーのスティーブ・ジョブズ会長兼CEOはディズニーの取締役・筆頭株主となりました。

 東京地方検察庁がインターネット関連企業のライブドアおよび関連会社を証券取引法違反の疑いで強制捜査を行い、村上ファンドがインサイダー取引したとして村上世彰代表を証券取引法違反の疑いで逮捕されました。

 3月9日に日本銀行が量的緩和政策を解除し、短期金利の誘導目標を0.0%から0.1%に引き上げました。これは2001年3月以来5年ぶりの金融引き締めでした。

 7月14日に日本銀行がゼロ金利政策を解除し、短期金利の誘導目標を0.1%から0.25%に引き上げました。これは2001年7月以来5年ぶりの利上げでした 。

政治

 ライブドア元社長の堀江貴文と自民党幹事長の武部勤の間に不正な金銭のやりとりがあったと主張した政治騒動(堀江メール問題)が発生し、捏造であることが判明したことにより、永田議員は議員辞職し、民主党執行部も総退陣に追い込まれました。

 8月15日、小泉純一郎首相が、任期最後の靖国神社参拝しました。
 9月20日、自由民主党総裁選挙。安倍晋三が、新総裁に選出され、9月26日には臨時国会召集されました。首相指名選挙で安倍晋三が第90代内閣総理大臣に指名・就任し、小泉内閣はこの日午前の閣議で総辞職しました。

 10月8日、日本の安倍晋三首相が中国を訪問。胡錦涛国家主席と首脳会談を、10月9日には韓国を訪問し盧武鉉大統領と首脳会談を行いました。

海外

 テロリスト容疑者アブー=ムスアブ・アッ=ザルカーウィーが駐留アメリカ軍の空爆によって死亡、サッダーム・フセイン元イラク大統領の死刑が執行され、インドネシア・ジャワ島南西沖のインド洋を震央とするマグニチュード7.7の地震が発生し、アメリカ合衆国・ニューヨーク・クイーンズ区などで数日にわたり原因不明の停電が発生し、北朝鮮初の核実験でありました。

日経平均株価推移

タイトルとURLをコピーしました