日経平均株価推移

2011年の日経平均株価推移 東日本大震災、欧州債務危機、金価格の急変動

日経平均株価推移

 2011年(平成23年)の日経平均株価です。

 2011年は、東日本大震災が発生し、その影響で経済が減速しました。

~東日本大震災~
 東日本大震災とは、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による災害、およびそれに伴う福島第一原子力発電所事故による災害を指します。
この地震は、国内観測史上最大のマグニチュード9.0で、東北から関東にかけての東日本一帯に甚大な被害をもたらしました。

 死者19,759人・行方不明者2,553人(計22,312人)・負傷者6,242人となっており、日本における第二次世界大戦後最悪の自然災害といわれています。

 東日本大震災は経済にも大きな影響を与えました。例えば、地震や津波によって発電所が停止し、被災地では広範囲に停電が起きました。
 また、震災で多くの工場や製油所が被災し操業を停止したため、製造業に大きな影響が出ました。さらに、震災直後に節電要請があり、計画停電によって業務の中断や見直しを迫られるなどの影響が発生しました。

 世界銀行は、東日本大震災による経済的な損失が最大で2,350億ドル(日本円にしておよそ19兆円)になるとの見通しを発表しています。

 東日本大震災により、日本のGDPは急落し、2011年1~3月期の実質GDP成長率は-0.9%、4~6月期の実質GDP成長-0.3%でした。
 しかし、震災により急落したGDPは、第3四半期にプラス成長へと転じ、7~9月期の実質GDP成長率は+1.5%、10~12月期の実質GDP成長率は+0.6%となり、景気後退局面から脱却しました。
そのため、2011年の実質GDPは510.8兆円で、実質GDP成長率は-0.0%でした。

 東日本大震災の翌年、2012年の失業率は4.3%、2013年は4.0%となり、高い失業率が続きました。また、東日本大震災により約12万人の震災失業が発生したと推測されています。これに加えて自営業者で失業した者も加えると震災失業は20万人にものぼると推測されています。

 東日本大震災後、為替相場にも大きな変動がありました。震災が発生した3月11日には82円台だった米ドル円レートが、震災後に円高に動き続け、3月17日早朝には76円25銭という高値をつけていました。
 その後も日米金利差の縮小観測や欧州債務危機を受け、ドルやユーロを避けた投資資金が比較的安全とされる円に向かう流れが継続しました。
 10月31日には一時75円32銭を付けました。政府・日銀は8月に続いて単独で、1日としては最大の7兆7000億円程度の円売り介入を実施しましたが、円高基調に大きな変化は出ませんでした。

 東日本大震災が発生した2011年3月11日、日経平均株価は午後1時10分時点で前日比86円安の1万0348円でした。震災が発生したのは大引け間近の午後2時46分で、直後から売り注文が殺到し、10分あまりで100円以上下げ幅が拡大しました。終値は前日比179円安の1万0254円と約1カ月半ぶりの水準で取引を終えました。

 震災後、福島第一原子力発電所の事故が深刻さを増した15日の日経平均株価は終値で1015円安の8605円まで下げました。同日の下落率(10.55%)は1987年のブラックマンデー、2008年のリーマン・ショック後に次ぐ大きさでした。

~欧州債務危機~
 ギリシャのデフォルト懸念は、2009年10月のギリシャの政権交代で財政赤字が公表数字よりも大幅に膨らむことが明らかになったことから始まります。
 ユーロ圏では当事国の意見対立によりギリシャのデフォルト懸念が収束せず、アイルランドやポルトガル、スペイン、イタリアなどにも危機(債務問題)が飛び火し、さらには、欧州全体の金融システムまで揺るがす事態となりました。

 2010年5月以降、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペイン、キプロスがEUとIMFから金融支援を受けました。
 2011年10月には、ギリシャやイタリアの国債を大量に保有していた大手銀のデクシア(ベルギー)が資金繰りに行き詰まって経営破綻しました。

 2011年の金価格は、史上最高値の1900ドルを突破し、その後1500ドル台まで急落しました。
 この金価格の急変動は2008年のリーマン・ショック後、大量の資金供給が行われるとの見方により投資商品として投資の対象となったため言われています。

~米国債ショック~
 2011年8月5日は、東京証券取引所第一部の平均株価(日経平均株価)は前日比-3.72%となり、一時は-4.61%まで下落しました。

 2011年8月5日には、ダウ平均株価は前日比-2.2%となり、一時は-5.7%まで下落しました。
2011年8月5日にアメリカの格付け機関スタンダード&プアーズ(S&P)が、アメリカの長期発行体格付けをAAAからAA+に格下げします。

 それにより、世界の株式・債券・通貨市場へ与えました。この出来事を米国債ショックと言います。

日経平均株価

 日経平均株価は、年初の1月4日に10,398.10円、年末に8,455.35円(-1,773.57円、-17.34%)。安値は11月25日の8,160.01円、高値は2月21日の10,857.53円でした。

大きな値動き

 2011年の日経平均株価の乱高下・暴落の件数です。

 対前日の値幅率+2%以上は9回、値幅率-2%以上は13回発生しました。
 対前日の値幅率+3%以上は2回、値幅率-3%以上は3回発生しました。
 対前日の値幅率+5%以上は0回、値幅率-5%以上は2回発生しました。
 対前日の値幅率+10%以上は0回、値幅率-10%以上は1回発生しました。

値幅率±3%以上

 対前日の値幅率±3%以上の大きな値動きです。

 3月14日に前日比-633.94円(-6.18%)下落し、3月15日に前日比-1,015.34円(-10.55%)下落しました。
 3月16日に前日比+488.57円(+5.68%)上昇し、3月22日に前日比+401.57円(+4.36%)上昇しました。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災は、歴史上最も壊滅的な自然災害の1つでした。震災後、日経平均株価はわずか3営業日で2,361.87円(22.3%安)下落しました。

 8月5日に前日比-359.30円(-3.72%)下落しました。

 8月5日にアメリカの格付け機関スタンダード&プアーズ(S&P)が、アメリカの長期発行体格付けをAAAからAA+に格下げし、世界の株式・債券・通貨市場へ与えました。

主な出来事

社会

 3月11日に東日本大震災、その後福島第一原子力発電所でメルトダウンが発生しました。

 大相撲八百長問題の影響で大相撲春場所が65年ぶり2度目の中止、焼肉酒家えびすでユッケなどを食べた顧客が食中毒になるユッケ集団食中毒事件が発生しました。

 サッカー「なでしこジャパン」がFIFA女子ワールドカップで初の優勝を果たし、島田紳助が芸能界を引退し、SEKAI NO OWARIがメジャーデビューし、アイドルグループ乃木坂46が発足し、任天堂が家庭用ゲーム機「Wii U」を発表し、地上アナログテレビ放送がデジタル放送に完全移行しました。

経済

 バイオ関連企業の林原グループが負債総額2,281億円で会社更生法の申請し、鉄鋼で国内最大手の新日本製鐵と3位の住友金属工業が合併を発表し、ジャスコとサティがイオンの名称に統一されました。

 野田首相が環太平洋連携協定(TPP)への対応について交渉参加方針を表明しました。

政治

 1月14日に菅直人第2次改造内閣が発足しました。

 1月31日に小沢一郎・民主党元代表が、検察審査会の議決に基づいて国会議員としては、初めて、強制起訴されました。

 8月26日に内閣総理大臣・菅直人が退陣を発表し、8月29日に民主党代表選挙にて、野田佳彦が民主党の代表になり、9月2日に野田内閣が発足しました。

 11月27日に、大阪府知事選と大阪市長選が投開票され、「大阪維新の会」代表の橋下徹氏が市長に、同会幹事長の松井一郎氏が知事にそれぞれ初当選しました。

海外

 英ウィリアム王子とキャサリン・ミドルトン嬢が結婚し、アップルの共同創業者のスティーブ・ジョブズが膵臓がんのために死去し、北朝鮮の最高指導者、金正日労働党総書記が死去しました。

 欧州危機が深刻化しギリシャ国債を大量に保有していたフランス・ベルギー系銀行大手デクシアが経営破綻しました。
 「アラブの春」でチュニジアのベンアリ大統領やエジプトのムバラク大統領は辞任に追い込まれ、リビアで政権が打倒され最高指導者のカダフィ大佐が殺害されました。

 米軍は2001年の米同時テロの首謀者とされるウサマ・ビンラディン容疑者の潜伏先を急襲し、同容疑者を殺害しました。

 タイ東部などで大洪水が発生した。日系企業約450社にも深刻な被害、トヨタ自動車、日産自動車など工場の操業を停止し、ソニーは新型カメラの販売延期に追い込まれました。

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