報復人事は、人事異動に不当な動機や目的がある人事。
報復人事の種類
- 妊娠や出産を機に育児休暇を取得した従業員に対して配置転換を行う
- 内部告発・内部通報した従業員に対して配置転換を行う
- 上司の意にそぐわない部下など、個人的な感情による配置転換を行う
- 退職勧奨の拒否した従業員に対して配置転換を行う
報復人事を受けてしまった場合には、その異動を受け入れるか、会社と争うか、退職するかの選択をすることになるでしょう。
そもそも、会社には人事権があり、会社組織において労働者の採用や異動、昇進や解雇などを決定する権利を有しています。従業員はこれに従う義務があり、原則として人事異動を拒否することはできません。
従業員が報復人事であると主張したとき、会社はそれが適正人事であると主張するでしょう。そのため、従業員にとって報復人事を受けた際、それを証明するのは難しく、人事異動について会社と争っても、一人ではとても敵わないケースが多いです。
報復人事に対する対抗
- 第三者、弁護士に相談する
- 報復人事の撤回を求めて、裁判等で争う
- 退職する
民事上の個別労働紛争
厚生労働省の『個別労働紛争解決制度施行状況』によると、民事上の個別労働紛争において、「出向・配置転換」に関する相談は増加傾向です。近年では相談件数が1万件を超えています。
民事上の出向・配置転換に関する個別労働紛争
参考)厚生労働省HP 『個別労働紛争解決制度施行状況』
厚生労働省は、都道府県労働局、労働基準監督署、駅近隣の建物など379か所(令和5年4月1日現在)に、あらゆる労働問題に関する相談にワンストップで対応するための総合労働相談コーナーを設置し、専門の相談員が対応しています。
まとめ
きっと報復人事を受けても、一人ではとても敵わないことが多いでしょう。まずは身近な人に相談しながら状況を整理し、今後の対応を検討するのが良いと思います。
私も上司と揉めて、遠方への転勤(出向)を命ぜられました。仕事内容も異なりますし、私から見ると報復人事だと思っています。しかし、転勤は受け入れないとし、断りました。懲戒解雇等はされませんでしたが、その後の昇給昇格は一切ありません。
現在、私のキャリアに将来性がありませんが、非常に楽な仕事をしていますので、待遇は割り切っています。また、ほかに良い会社があれば転職も検討しています。
今の会社には期待していないので、気が楽です。