酒田五法 （さかたごほう）・酒田罫線（けいせん）とは、出羽国（現在の山形県酒田市周辺）出身の江戸時代の相場師本間宗久によって考案されたローソク足の並びを基本としたテクニカル分析のひとつです。
本間宗久はローソク足を考案し、ローソク足の組み合わせによって売り場と買い場を読む酒田五法の五つの法則を編み出しました。それにより彼は、酒田の米相場で投機を行い、大成功をおさめます。
そのため、酒田五法は、日本古来の罫線の中でも最も古典的であり、罫線分析の基本として非常に有名です。
酒田五法は、「三山（さんざん）」「三川（さんせん）」「三空（さんくう）」「三兵（さんぺい）」「三法（さんぽう）」という５つのチャートのパターンが基本になっています。
これらの基本パターンは、チャートのフォーメーション分析や様々な複数足分析の土台になっています。
三山（さんざん）
●売りシグナル：三山（さんざん）三尊（さんそん）・三尊天井
値動きが上昇と下落のパターンが三度続き、一般に天井形成のパターンとしてみなされ、以降は下落となります。
「三山」・「三尊」とは、相場が下落に転じるときに見られる形で、上昇相場で上げ下げを3回繰り返して3つの山を形成するもので、真ん中の山が最も高い「三尊天井」が天井圏を示すチャートパターンとして、有名売りシグナルとして知られています。
また、相場が上昇に転じるときに見られる形で、下降相場で上げ下げを3回繰り返して3つの山を形成する、「逆三山（尊）」もあります。
三川（さんせん）
●買いシグナル：三川（さんせん）・逆三山・逆三尊
値動きが下落と上昇のパターンが三度続き、一般に大底形成のパターンとみなされ、以降は上昇となります。
相場が上昇に転じるときに見られる形で、下降相場で上げ下げを3回繰り返して3つの山を形成する、「逆三山（尊）」として、底値圏を示すチャートパターンとして、有名買いシグナルとして知られています。
三川宵の明星・三川明けの明星
ちなみに「三山」と「三川」にはいくつかのパターンがあり、急上昇した次の日に上昇が鈍化しその後大きく下落すれば「三川宵の明星」といい、大暴落した次の日に少し値を戻しさらに急反発すれば「三川明けの明星」となります。
三空（さんくう）
何度か上昇・下落を繰り返した後に値動きが急騰（あるいは急落）となり、 株価が窓を開けながら4本のローソク足が連続して現れると、その後急落（あるいは急騰）の可能性があります。
『窓』のことを『空』ともいい、窓を開けながら4本のローソク足が連続することを、「三空」と言います。『窓開け』した株価は『窓埋め』にしないと短命に終わります。
こうなると相場の傾向が急変する可能性が高く、下落局面なら買い、上昇局面なら売りと反対売買の機会となります。
ちなみに下落時の三空は「三空叩き込み」、上昇時の三空は「三空踏み上げ」と呼びます。
三兵（さんぺい）
●三兵（さんぺい）
三日連続で上昇・下落が続くことを指し、上昇が連続すれば「赤三兵」、下落が連続すれば「黒三兵」と呼びます。
重要なのはその連続の傾向より値動きの幅や前日終値との比較であり、たとえば前日の終値よりも高い始値で「赤三兵」が出れば、極めて強い上昇傾向と見ることができます。
また値動きの幅が狭まってくると先詰まりとなり、収束の前兆となります。
三法（さんぽう）
●三法（さんぽう）
短い期間に上昇と下落が連続して起こる場合は、売り買いが交錯して方向性が定まらない状態であり、これを「三法」と呼びます。
また、「売るべし」、「買うべし」、「休むべし」という相場の格言があり、これを「三法」と呼んでいます。売り買いが交錯して方向性が定まらない状態であり、このようなときは「休むべし」であり、「休み」を入れて静観する必要があるでしょう。
「上げ三法」は、手前の3つの小さなローソク足を超える大陽線が出現すると、さらなる上昇へ相場が向かうというものです。
三つの小さなローソク足が、大きな「陽線のはらみ線」となっており、売り方の弱さを表しています。
一方、「下げ三法」は、手前の3つの小さなローソク足を超える大陰線が出現すると、さらなる下落へ相場が向かうというものです。
三つの小さなローソク足が、大きな「陰線のはらみ線」となっており、買い方の弱さを表しています。
